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7. 江戸いろは歌留多に学ぶ(その1)
■今でこそほとんど見られなくなりましたが、昔は正月といえば子供たちはカルタ取りに興じたものです。このカルタ取りでは、「百人一首」が現在でもよく知られていますが、「江戸いろは歌留多」は、いろは47字に京を加えた48字を頭文字にして、ことわざやたとえを詠んだカルタです。1774年に京都で刊行された「児童教訓伊呂波歌」が始まりとされています。この最初の1枚として有名なのが、「犬も歩けば棒にあたる」です。2枚目が「論より証拠」です。このほか、今でもなんとなく使われている言葉としては、「花より団子」、「紺屋の白袴」、「飛んで火に入る夏の虫」など数多くあります。いずれも故事来歴のある言葉で、もっともだと肯ける言葉ばかりですが、この「江戸いろは歌留多」の言葉には、株式投資の心得として通用する言葉がたくさんあります。これを幾つか紹介してみましょう。
■「犬も歩けば棒にあたる」という言葉も、株式投資の心得として大切なことを教えています。「犬も歩けば棒にあたる」の本来の意味は、「余計なことをすると、つまらない災難にあう」ということですが、現代では「身体を動かしていれば良いことがある」といった意味でも使われています。本来の意味を株式投資に当てはめますと、ただ他人に薦められたり、単なる思いつきで投資したり、また株価の動きだけに惑わされて我慢しきれずに投資することは、怪我のもとになるということを教えています。これに似た格言としては、「雉も鳴かずば撃たれまい」という言葉があります。こうした投資は「飛びつき買い」とも言いますが、確かな裏づけのない投資は成功確率が低く、失敗することが多いものです。今となれば、1999年の一部のIT株式投資で大怪我をした多くの投資家は飛びつき買いだったということになります。「飛びつき買いは怪我のもと」だと戒めなければいけません。
■現代流の解釈を当てはめますと、「家の中であれこれ考えるよりは、外に出て町を歩いて見ることが、株式投資の材料に巡り合える」ということになります。実際にあった話を紹介します。千葉県某市に住んでいるAさんは、或る日花見をかねて散歩がてら近所をぶらついていました。通り道に「○○○○」という店ができていました。店内は若い女性や男性で一杯。数日前デパートへ行った時の衣料品売場は、人もまばらで消費不況を確認した気分だったのですが、まったく違う熱気をみて驚きました。家へ帰って娘さんに「○○○○」を知っているかと尋ねたら、知っているどころか「○○○○」の製品を愛用しているというし、若い人には人気だという。「○○○○」の社名を調べ、直ちに研究して、これはいけると翌月に6200円で1000株購入し1年間持ってみることにしました。株価は好調に値上がりを続けたので、途中で売ろうかと考えたこともありましたが、1年間持つと決めたのだからと我慢しました。まさに「太公望」の心境で我慢しました。業績の大幅な伸びを背景にして、株価は今年5月には5万円台に乗せたので5万2000円で売却しました。1年で620万円が5200万円と8.3倍になったのです。夢のような話です。あの時散歩に出ていなければ、こんな幸運に巡り合えなかったと、Aさんは語っています。売却後に株式分割を実施し、現在まで保有していれば6000万円近くになりますが、Aさんは欲を言ったら切りがありませんと満足そうでした。次回は歌留多の教訓(その2)です。
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