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13. 人の行く裏に道あり
■最近、百貨店の初売りで売り出された福袋が、たちどころに売れてしまったと報道されています。また、某有名ブランドメーカーの開店セールでは、ケガ人がでるほど大勢の人が押しかけたといわれます。バーゲンセールには朝寝坊の人も早起きし、車を飛ばしてでも駆けつけるようです。他の人より早く行かなければ、品物がなくなるかもしれないという不安心理が、こうした行動につながっているものと思われます。これが消費者心理というものです。ところが、投資家心理はまったく逆のようです。安いことには拒絶反応が強く、株価が安い時には見向きもしない。そして、高くなってくるのに比例して、乗り遅れるのではないかという不安心理が強まって、ついに我慢しきれずに手を出した時はピークに近かった。投資経験のある人なら必ず思い当たることだと思います。しかし、株式こそ安い時に買うことが大切なのです。それがリスクを小さくし、収穫を大きなものにするのです。「安く買って高く売る」ことが株式投資の勝利の鉄則といわれるのに、反対の行動をとっていては勝利よりも危険の方が大きくなるのは当然です。株式投資で失敗している投資家の多くは、この反対行動をとっているケースがほとんどといっても間違いないと思います。
■命の次に大切なお金がかかっているのにバーゲンセールと同一視するなと言われるかもしれませんが、株式投資においてこそ、バーゲンハンター的な行動が必要なのです。このことは古くから伝わる株式投資の格言にも示されています。「人の行く裏に道あり花の山」という格言を耳にしたことがあると思いますが、まさにバーゲンハンター的な行動が勝利の道につながることを教えている格言です。皆が見向きもしない時にこそ大きなチャンスがあり、安い時には見向きもせず高くなると買いたくなる投資家心理の逆を行くことの大切さを教えているのです。
■しかし、「安い時に買い、高くなったら売る」という行動は、口でいうほどに簡単なことではありません。また、安いと思った水準からさらに下落することもあります。これは「安く買い高く売る」ことは鉄則であっても、水準と売買のタイミングの判断が、その前提条件になることを示唆しています。これまで株価水準のチェックが重要なことをお話してきましたが、その理由を理解していただけると思います。どんなに良い銘柄で、株価が高値水準から大きく下げてバーゲンセールを思わせるような水準にあっても、相場環境が悪化の方向にある時は、さらに下落することもあります。このような状況下ではまだ買いのタイミングではないということになります。投資の王道が長期投資にあることを考えれば、タイミングの多少のずれは問題にする必要はないのかもしれませんが、投資効率を高めるためにはタイミングを判断することも重要です。したがって、個々の銘柄の株価水準をみることは重要ですが、相場全体の環境を判断してタイミングを探ることも欠かせない作業になります。次回から、この点について考えてみましょう。
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