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22. 材料は消化されたら寿命が終わる
■精密機械のN社の2001年3月期業績が大幅な増益になるというニュースが流れましたが、株価は逆に下落してしまいました。常識的に考えますと、好材料は株価には値上がりの要因になるはずです。大幅増益は大きな好材料ですから、株価がこれを好感して上昇するのが当然だと考えた方もあったと思います。ところが逆に株価は下落したのですから、不思議に思ったことでしょう。なぜ、このようなことになるのでしょうか。この時に新聞に掲載された市場コメントをみれば理由が明らかになります。「機関投資家は2001年3月期の業績好調は分かりきったことであり、2002年3月期の業績が不透明なことが嫌気された」と伝えていました。要するに業績の大幅増益は材料としてすでに織り込み済みだったということです。
■このように好材料や悪材料に無反応、場合によっては逆の反応を示すことはよくある現象です。こうしたことを市場では「材料出尽くし」と言っています。どんな好材料でも悪材料でも、それが株価に織り込まれてしまったら、材料としての効き目がなくなることを意味しています。どんな食べ物でも新鮮な間は美味しいものですが、時間がたってしまえば味も落ちてしまい食欲がそそられることはありません。これと同じで、どんな材料も新鮮な間は株価もそれに反応しますが、これを織り込んで株価が動いてしまえば、材料としての値打ちはなくなってしまうのです。「好材料があるのに上がらない」とか、「悪材料があるのに下がらない」といった声を耳にすることがあります。これはすでに材料としての新鮮味がなく、その材料は株価に織り込まれてしまっていると考えなければなりません。織り込まれてしまっている材料は、それが確認された段階で寿命は燃え尽き、新たな材料がない限り株価は動かないのです。
■そこで注意しなければならないことは、材料の新鮮度を考えて売買を考える必要があるということです。いつまでも好材料視したり、悪材料視したりして、投資行動を起こせば失敗につながりかねないからです。たまたま材料を耳にしたら、それが新鮮な材料か、すでに市場では囃されてしまった出がらしの材料かを確認してから行動しなければなりません。自分では新鮮な情報だと思ったことが、まったく古い材料だったということがあるものです。株式は業績や新商品といった材料によって動くものですが、その材料がいつまでも効力があると考えてはいけないのです。材料にこだわり過ぎますと、裏目がでて痛い目に会う危険性があることを忘れてはなりません。材料が材料性を発揮するのは新鮮な時と考えてください。
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