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29. 投げる勇気が投資効率を高める

買値にこだわることが大怪我につながり易いから、買値は忘れてしまったほうがよいと話しました。しかし、買値を忘れるとうことは容易ではありません。また、買値を意識しないことには、損得が明確にはなりません。敢えて買値を忘れなさいと申したのは、別の言葉でいえば損でも売却する、すなわち投げる勇気が必要だということを言いたかったためです。損が出ているのに売却するというのは心理的に難しいことです。持ち続けていれば、花が咲く時が訪れる可能性があるわけですから、じっと我慢してみようということになります。企業実態に変化はなく、つれ安しただけなら戻る可能性がありますから、我慢する方がよいこともあります。しかし、情勢が変ったとか、自分の判断が間違っていた場合には思い切って、早く投げることが損失を少なくするのです。我慢していれば戻るにしても、長い月日がかかるようでは、この間は投資資金が寝たままになってしまい、貯金より高い利回りを目指して株式に資金を投じた所期の目的に相反することになります。
 
株式投資で重要なことは、投資資金の効率を高めることです。100万円を投じて、それが値下がりして70万円になり、100万円に戻るまで我慢したら2年かかったとすれば、何のための株式投資かということになります。この2年間にすべての銘柄が同じように不振なわけではありません。この間に値上がりする銘柄も少なくないはずです。大勢下げ基調の相場のなかでも必ず上昇する銘柄はあるものです。100万円を投じて70万円に下がった時、それが判断ミスによるもので当分戻りは期待できないとすれば、思い切って損失が出ても70万円で売却してキャッシュにすることを考えて下さい。キャッシュを作っておけば、何時でも有望銘柄が出てきたときに投資できるからです。この資金を他の銘柄に投資して半年で100万円になるということがあるものです。持ち続けて2年、投げて他の銘柄に投じて半年、同じ100万円を取り戻すにしてもどちらの投資効率が高いかは言うまでもありません。
 
ナンピン戦略が何時でも正しい戦略とはいえないというのも、この資金効率から考えれば当然ということになります。値下がりした銘柄のナンピン買いに投資する資金を、より値上がり期待の高い銘柄に投資した方が、その値上がり益によってナンピン買いするよりは早く値下がり分の損失を相殺できるからです。資金を効率よく動かすことが株式投資には重要です。このためには買値にこだわることなく投げる勇気を持ち、判断ミスを早期に修復することが大切だということを忘れないで下さい。

 

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