|

30. 持株処分の順序を間違えてはいけない
■前回に触れた投げる勇気に関連したお話をいたします。株式を数銘柄保有している投資家が資金を必要とする状況になって、所有株式の一部を売却するとき、これにも順序があるということです。一般には金融機関の店頭や担当者に相談すると、まず儲かっている銘柄の売却を推奨する場合も多いと考えられます。投資家としても損をしている銘柄を売却することには抵抗があるはずですし、担当者も損している銘柄の売却をアドバイスしてその後で値上がりしたら恨みを買うと考えて、儲かっている銘柄の売却のアドバイスに傾きがちなわけです。これは決して正しい選択とはいえません。株式投資は銘柄個々の損得で考えるものではなく、トータルでプラスかマイナスかを考えるべきだからです。
■株式投資で常勝はまず考えられません。どんなに良くても10回に数回は判断ミスがあるものです。売却しようといういう段階で利益勘定になっている銘柄は、その時点では判断は間違っていなかったわけで、さらに上昇する可能性を秘めています。売却するのは天井を確認してからで遅くはありません。一方、損をしている銘柄は見込み違いだったわけで、その後も下がるかもしれません。損失は小さいうちに摘み取るのが望ましいわけですから、資金が必要になったとき、見切るチャンスを与えてくれたと考えるべきです。持株を処分するときは、損をしている銘柄から売却すべきだと考えるべきなのです。逆に儲かっている銘柄から売却すると、儲けは小さくなる可能性がありますし、残した損をしている銘柄の損はさらに拡大して、トータルでも損ということになりかねません。損をしている銘柄から売却すれば、そこで損をしている銘柄の見切りができたわけですし、損失が確定します。あとはトータルで利益になることを考えればよいわけで、儲かっている銘柄の値上がりを楽しむことができます。
■株式投資は短期・長期いずれにしろ儲けるために行なっているはずです。マージャンの好きな人なら分かるはずですが、絶対に振り込まない安全戦法ですと、ジリ貧になりがちです。積もられた分だけ沈んでしまいます。どこかで勝負をしなければなりません。これによって勝利する機会が生まれてきます。勝負手でも安全策をとって降りてしまうようでは勝利の女神は微笑みません。儲かっている銘柄から売却してしまうのは、これとまったく同じことです。せっかくの大きく儲けるチャンスをみすみす逃してしまうことになりかねないからです。安全策をとったつもりが、残した値下がり銘柄の損がさらに拡大して、儲かっている銘柄を売却して得た利益以上の損失を作ってしまうことになるのです。持株を売却するときに損失銘柄から売却することを厭わないことも大事な心構えなのです。
|