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32. 売買注文の出し方にもTPOがある(その2)

前回、買いには指し値で注文を出す余裕が必要だというお話をしました。これと関連して強調しておきたいことがあります。「指し値は変えるな」と言うことです。指し値で買い注文を出しても、なかなか買えないことがあるものです。その株価が付いているのに買えないということはよくあることです。特に小型株や品薄株など出来高が少ない銘柄に多くみられます。最低単位の売買でその株価がついても、売買注文は時間優先ですから、同じ価格で他の人が先に注文を出していれば、その人の注文だけが成立することになるからです。このように株価が付いているのに買えない、あるいは買えないままに株価が上に動きだしてしまったというような時、指し値を上に引き上げたり、成り行き注文に変更したくなるものです。人間の心理は不思議なもので、買えないとなると、ますます買いたくなる傾向があります。
 
しかし、ここをじっと我慢することが必要なのです。世の中は皮肉にできているものです。指し値を変えたり、成り行き注文に変えて売買が成立した後に、株価が前の指し値を下回り、前の指し値でも買えるという状況が起きることも多いのです。我慢していれば前の指し値で買えたのに、指し値を変えてわざわざ高い値段で買ってしまう。株式投資に限らず、方針を変えない方がよいことはたくさんありますが、株の買い指し値はその最右翼にあるといってよいでしょう。特に避けなければならないことは、指し値を変えてもまた買えない、そこで再度指し値を引き上げる行為、分かりやすく言えば、株価と指し値の追いかけっこをすることです。このような場合、挙句の果てに買ったところが天井圏だったということになりかねません。指値注文して買えなかったら、その銘柄には縁がなかったものと諦めることも大切なのです。
 
どうしても買わなければならない事情があれば話は別ですが、こんなケースは一般の投資家の場合にはあまり考えられません。したがって、買えない時に指し値を引き上げるようなケースは、その銘柄が必ず上がるという確信がある時です。しかし、このようなケースでは最初から成り行き注文を出すべきです。必ず上がるという確信があるなら、買い値にこだわってはいけないからです。必ず上がるという確信が持てるのも例外的なケースのはずですが、こうした時に僅かの価格の違いで買いを失してはいけません。株には絶対という言葉は禁物ですが、自分で絶対だという確信があるなら、間違いなく購入できる成り行き買いをすべきですし、通常のケースでは指し値注文し、買えなかったら諦める。これがTPOに応じた買い注文の出し方だと考えて下さい。次回は売り注文の出し方を考えてみます。

 

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