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35. 材料と投資判断(その2)
■前回は「好材料の出尽くしは売り」ということをお話しました。ただ、これもケースバイケースであることを念頭に置いておく必要があります。好材料が出たら終わりというケースがすべてではないからです。好材料がさらに上昇に拍車をかけるケースもあるのです。
そこで考えておく必要があるのは、この「出尽くし」という言葉の意味です。「出尽くし」というのは、材料自体が予期されたいたことであり、これが現実化されたことを指すと考えればよいでしょう。予期されていれば、これが現実になる前に先行して株価に織り込まれてしまっている可能性も高くなります。ですから、現実化したときは、すでにその材料が完全に株価に織り込まれて上昇してしまっているというケースが多いのです。だから、現実化されれば、その水準からさらに買っていくべき根拠がなくなってしまうのです。「出尽くしは売り」というのは、このようなケースなのです。
■株価は先見性があるといわれます。好悪材料を予測して動くものです。そして、こうした将来に対する予測は、業績を中心にしてアナリストが行なって投資家に材料として提供していますし、業績については企業も見通しを明らかにしています。この予測に基づいて株価は材料の現実化の前に、これを織り込んでいく傾向があります。予測どおりであれば、これに基づいて形成された株価は妥当水準ですから、現実化したときに、それ以上には上がらなくとも、大きく下落することはないかもしれません。しかし、この材料での株価上昇は事前に形成されてしまっていますから、一応利食いを入れるために売却するということも考えられるわけです。
■ところが、この予測や期待が、その通りになるとは限りません。予測や期待が上にも下にも大きく外れることがありがちです。大きく外れるため市場は、これに驚いて株価も敏感に反応します。市場が驚くことから、これを「サプライズ」と称しています。予測より良い方に外れた場合が「ポジティブ・サプライズ」、悪く外れた場合は「ネガティブ・サプライズ」といいます。このうち、「ネガティブ・サプライズ」の場合は、期待に反したことになりますから、好材料転じて悪材料になってしまいます。典型的な例が増益決算は期待通りであっても、増益率が期待を下回ったようなケースです。この場合は増益決算を発表しても、その瞬間から売られる可能性が高いということになります。早めの処理が必要かもしれません。逆に予想外の大幅増益は「ポジティブ・サプライズ」になりますから、それが好感されて上値を追うことが考えられます。この場合は、売りをワンテンポ遅らせることが望ましいこととも言えます。「好材料出尽くしは売り」とはいっても、その材料が期待されていたものと内容的にどうかということをよく判断して投資行動を決定することが重要なのです。
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