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39. 人気は先取りすることが肝要である

市場人気は、世相を反映します。過去の株式市場の主役をみれば分かります。戦後はまず黒いダイヤと言われた石炭株に始まりました。エネルギーが経済活動の原点だったからです。次いで俗にガチャ万と言われた繊維株、食料不足を反映して肥料・農業機械が人気になりましたが衣食不足時代を反映したものです。さらに国土復興が叫ばれて建設・セメント株といった具合に、世の中のニーズに合致した産業・企業が人気を集めました。その後の経緯をみても、電化元年と言われて家庭電器株、モータリゼーションを囃して自動車株、さらにカラーテレビ時代、列島改造を反映した住宅ブームを反映して住宅株・不動産株、バブル時代のウォータフロント関連の含み資産株と次々に人気の主役が誕生しました。最近ではインターネット時代の到来を背景にした情報・通信関連株が挙げられます。
 
こうした人気の経緯をみますと、世の中のニーズの変化を株式市場はいち早く先取りしていく傾向にあるということです。このニーズの変化は、社会・経済情勢に影響されますし、さらに政策や技術革新にも影響を受けます。こうしたことを背景にした人気は、大きな社会的潮流を基盤にしていますから持続性があるケースが多いと思われます。しかし、株式市場は先見して動くと言いますように、如何に持続性のあるテーマでも現実にブームになってから気がついたのでは遅い場合もあります。逆にブームの声が聞こえたら短期的に考えた場合利食い時になるかもしれません。典型が最近ではIT関連株です。ITが産声を挙げた当時は、これほど急速なブームになると考えた人は少ないはずです。世相的にみれば、現在がITブームの真っ盛りです。しかし、IT関連人気は少なくとも短期的に見れば2000年春でピークを打っています。IT関連で大きく儲けた投資家は、ITブームの到来を先取りして97年ごろに投資してブームの声が高まった99年秋から2000年春に利食った投資家です。ブームの声を聞いて参戦した人は逆に大きな痛手を受けている可能性もあるわけです。
 
その点で長期に人気が出てくる可能性があるテーマを先取りすることが大切なわけですが、これには世の変化の動きをいち早く察知する洞察力が必要になります。世の中に変化の動きが出てきたら、これが大きなテーマになるかどうか考えてみることが肝要です。現在でいえば、例えばゲノムが挙げられるでしょう。そのテーマが現実に大きなブームにはならなくとも、人気を先取りすることで、程度の違いはあっても戦果を上げることができるかもしれませんし、リスクも小さくて済むかもしれません。先取りする洞察力は、常に世の中の動きに関心を持つ姿勢から生まれきます。これは株価の動きに関心を払うより重要であり、結果として大きな人気グループ・銘柄を発掘することにつながるのです。人気・ブームになってから気がついたのでは遅いということもあるということを忘れてはいけません。

 

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