← 40章へ戻る | コラムトップへ戻る ↑ | 42章へ進む →


41. 技術革新材料は市場規模判断が鍵

技術革新が世の中の姿を変えていくことは説明する必要もないと思います。いま「洗濯板」といっても知らない人がほとんどだと思いますが、むかしは家庭の洗濯の必需品でした。電気洗濯機の登場が洗濯板を放逐してしまったのです。自動車の出現が馬車を世から消してしまい、農業機械の普及は牛馬による農耕をなくしています。技術革新はそれだけに株式市場にとっても大きな人気材料になります。ただ、新技術あるいは技術革新が生み出す新製品のすべてが持続性のある人気につながるわけのものでもありません。この点を注意しませんと失敗につながることになりかねません。
 
新技術・新製品が人気を生み出すのは、それが業績の持続的拡大につながる可能性があるためです。新技術・新製品が生み出された時は、まだ海のものとも山のものとも分からない場合もあるのですが、多くの場合将来の夢が期待されがちです。夢だけが先行して株価が動いても、現実には業績への寄与がそれほどでないとなると、期待の裏返しでその反動は大きくなります。その典型的な例は過去にいくらもありました。例えば制癌剤人気です。制癌剤は人類にとって大きな夢です。制癌剤開発を材料に化学株、薬品株の中で、多くの銘柄が人気を集めましたがその中で多くが一過性に終わっています。夢があるために過剰反応して一時的には跳ねあがりましたが、その後は急落という運命をたどったものもありました。
 
そこで技術革新材料で注意しなければならいことは、その商品としての価値、市場規模についての判断です。同じ映像関連の技術革新でもカラーTVが登場した時は関連株が息の長い人気を集めたのに、現在のハイビジョンはあまり人気になっていません。消費者としてみれば、カラーTVが登場した時は欲しいと思いましたが、今のところハイビジョンでなくてはならないという気持ちにはならないかもしれません。この違いが技術革新材料では大きな意味を持つのです。市場規模が大きければ、当然業績の長期的成長につながり、株価人気にも持続性があります。しかし、市場規模が小さくては業績につながらない単なる技術革新だけのことで終わり、株価の長期的成長にもつながらず、株価も期待はずれに終わることもあるのです。市場規模の大小をどう判断するかということはそんなに難しいことではないかもしれません。第一にその技術革新が特定の分野の需要だけのものか、一般大衆に広く普及する可能性があるのかの違いです。第二はそれがなくとも何の不自由さがないか、どうしても必要なものかの違いです。また技術革新材料は商品化以前に明らかにされることが多いのですが、この段階では現実化するかどうかはわかりませんから、この段階での投資は危険性を伴います。慎重な心構えが必要ですし、その実現性や市場規模予測が判断できてからの投資でも遅くない場合も多いのです。

 

Copyright (C) 2000 Infobank Co.,Ltd.  All rights reserved.