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45. 投資家が陥りがちな三つの病い

株式投資で損得が生じるのは投資家個々の行動の結果です。投資家の行動には投資家の心理状態が大きく影響するといわれています。この投資家心理を終生の研究課題とした米国の著名なアナリスト、ピーター・ワイコフは40年前にその著書で投資家が陥る三つの病気について語っています。参考になりますので紹介してみましょう。三つの病いとは、第一に「うぬぼれ」、第二に「貪欲」、第三に「期待感」です。これが株式投資で成果を挙げる障害になっていると指摘しています。
 
人間誰しも「うぬぼれ」の心はあるものです。自分が選んだ銘柄が上昇すれば、自分の考えは間違っていなかったとうぬぼれてしまいがちだというのです。この「うぬぼれ」が嵩じると他人の意見を耳にしなくなってしまう。値下がりしても自分の判断に間違いはないはずと考えていつまでも持ち続け、周囲から売った方がよいとアドバイスされても依怙地になって売らない。これが株式投資では最も危険なことだというのです。1回や2回成功したからといって、自分の相場判断や銘柄観にうぬぼれてしまうと、とんでもないしっぺ返しを食ってしまうことが多いから、常に虚心坦懐、他人の意見にも耳を傾ける姿勢が必要だと語っています。深く考えないでのナンピン買い、信用取引による過剰な買いは「うぬぼれ」のせいにほかならないとしています。
 
株式投資を行う以上「貪欲」であることは当然ですが、度を過ぎると逆に失敗につながると指摘しています。買ったときに売る目標値を決めていたのに、目標値に達すると欲が出て売ることを止めて、さらに上の目標値に変えてしまうと、その後下落して儲け損なうことが多いというのです。「あのときに売っておけばよかった」ということになりますが、ほとんどの投資家が、こうした経験をしているはずです。かなり人気になって高値にある株を買う高値掴みも、もっと上がると考える「貪欲」の結果だとしてきしています。貪欲は正しい判断を狂わせると語っています。
 
「期待感」というのは、そうなって欲しいという願望です。買った銘柄が上がってくれることを望むのは当然ですが、この期待感は時として空中楼閣に過ぎない場合があることを常に忘れてはならないというのです。期待感が強いと悪い意見には耳を傾けず、嬉しい話だけに耳をそばだててしまう。このため、期待感は人間の判断力を鈍らせ、損する可能性を高めてしまうというのです。期待感だけに頼った投資は行うべきではないと、次のような詩を紹介しています。「希望よ、お前の話は私を喜ばせる/でも、お前の話はうつろだし、無益で人を惑わせる/ああ、希望よ去れ、力を持つな、失望が訪れるのが、私は怖い」。
 
この三つの病気は、投資家の誰もが経験しているはずです。株式投資を投機と割り切ってリスク覚悟なら話は別ですが、利殖の手段と考えるなら可能な限りリスクを回避することが大切です。この三つの病いに陥らないように心掛けることが必要でしょう。 

 

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