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50. 暴落後の底値確認には時間がかかる

相場が全体に大きく下げた後は、どこかで底を打ち反発に転じるわけですが、この底値の確認は簡単ではありません。「もうはまだなり、まだはもうなり」という相場格言がありますように、もう下値に届いたと考えたら、さらに下げ続けることがありますし、まだまだ下げそうだと考えていたら、その時が底値だったということが多いのです。人間の心理は面白いもので。株を保有していればもう下がって欲しくないという願望が潜在しています。これが「もう」という考えにつながります。そして、その願望にもかかわらず下げ続けると今度はとめどもなく心配になってくるため、「まだ」下がるという恐怖感にとらわれます。相場では、こうした心理状態を深く洞察することが大切なのです。
 
特に暴落過程では「まだまだ下がる」という心理が先行します。心理状態は必要以上に弱気になります。このため、瞬間的に行き過ぎて下げることが多いものです。この下げ過ぎの反動としてある程度の戻りをみせることが多いのですが、これで本格反騰につながると考えるのは早計です。この戻りは行き過ぎを修正する自律反発に過ぎない場合も多いのです。2001年9月の米国における同時テロ発生後のニューヨーク市場を見てみましょう。5日間にわたって下げ続け、累計の下落率は14%と1933年の大恐慌に次ぐ史上第2位を記録しました。まさに暴落を演じたわけです。その後、史上6番目に相当する反発をみせましたが、その後軟弱な動きが続いていることから判断して、2001年10月時点ではそれは短期間の下げ過ぎに伴う自律反発と考えるのが妥当でしょう。
 
暴落には暴落するだけの材料があります。この悪材料は暴落過程で織り込まれていきます。暴落の過程で悪材料の先の影響までを織り込んでしまうのが通例です。だから行き過ぎるほどに下げることも多いわけです。自律反発が本格反騰につながるには、悪材料に変わる好材料が出てくることが条件になります。しかし、短時日に好材料が生まれる可能性は少ないものです。したがって、自律反発があったといって底値を確認したと考えてはいけないのです。ただ、暴落によって水準が底値圏に入っていることだけは間違いありません。そこで参考になるのが「底値100日」という格言です。底値に届いたと考えても、そこから100日間は、底値摸索の動きが続くと考えた方がよいということをいっています。
 
暴落は相場が壊れ、投資家心理が壊れたことを意味します。壊れたものを修復するに時間がかかるのは何事でも同じです。相場の修復は相場が落ち着きを取り戻すこと、投資家心理の修復は投資家が冷静さを取り戻すことと考えればよいでしょう。これには3ヵ月余りの時間がかかるというのが経験則だということです。自律反発を本格反騰と考え違いをすると、また痛い目に合うこともあります。暴落後は慌てず騒がず、じっくり時間をかけて、本格反騰に備えて銘柄選別を行うことが大切だというわけです。

 

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