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51. 「先着御1名様」の意味

株式の世界には「先着御1名様」という言葉があります。何を意味するのか理解できない方が多いと思いますが、簡単に言えば「1番先に買った人だけが儲かって、あとで買った人はみんな損をする」ということをいっています。どのような時に、こうした状況が生まれるのでしょうか。例えば、700円程度でまったく動きていなかった銘柄が、800円程度へ水準を切り上げてきた時に、「1000円目標で誰それが買う」とか、「誰それが買っている」とか、「何か大変な好材料があるようだ」といったような噂がどこからともなく流れてくることがあります。そこで、まだ3割近く上がる可能性があると飛びついて買ったとします。暫くは800円前後で推移しているので、値上がりの期待感を持ってみていたら、逆に値下がりして元の木阿弥の700円まで下がってしまったというようなケースを考えてください。このような場合、この噂自体が単なる噂でしかなく、結局噂を流した買い手は、安いところで仕込んでおいて、噂を信じて買った人に持株を売却して、自分だけが儲けているわけです。「先着御1名様」という意味が理解できたと思います。
 
株式市場にはまことしやかな噂が駆け巡る場合があります。単に上がるらしいとかというような話ではなく、もっともらしく何月何日に斯く斯くしかじかの材料が発表されるらしいと言った噂を耳にすると信じたくなることもあるかもしれません。その後、事実でなかったといって話をしてくれた人を責めてみても後の祭りということでしかありません。株価を乱高下させるような極端なケースの場合は、法律で禁じられている「風説の流布」ということになり、犯罪として捜査の対象となり処罰されます。しかし、極端なケースでなければすべての噂を取り締まることも難しいものです。しかも厄介なのは噂のなかには時として真実が含まれている場合もあるということです。
 
そこで重要なことは、噂の真偽を見抜く目を養うことですが、これも容易なことではありません。アナリストのレポートなど信頼性が高いものでしたら、真偽を考える必要はないのですが、噂となると真偽を確かめることも難しいのです。したがって、たとえわずかでも真実の可能性に賭けるのか、多くは出鱈目と考えて噂には乗らないスタンスをとるか、自分なりのスタンスを明確にしてそれを守ることが大切だということになります。可能性に賭ける場合も可能な限りの自分のニュース源を駆使して、裏付けを取っていくという努力が必要でしょう。裏付けがどうしても取れなければ、噂は噂でしかないと割り切ることが重要です。

 

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