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57. 「相場は相場に聞け」の意味

株価というものは、自分で考えたようにはなかなか動いてくれないものです。株価水準が様々な株価尺度で考えて割安な水準にある、特に安値に放置されるような悪材料もないから、割安性が見直されて上がるはずだと判断して買ってみたものの、期待に反して上がらないということはよくあることです。上がらないだけならまだしも、逆に値下がりしてしまうこともあります。また、保有していた銘柄がある程度値上がりした段階で、投資尺度からみて目一杯の水準だと考え、また特に好材料があるわけではないから反落する可能性があると判断して売却したところ逆にそこから大きく値上がりするということもあります。このように株価の動きはまったく「あまのじゃく」のような動きをするものです。多くの投資家が、このような経験をしているはずですが、何故このように自分の判断と株価は違った動きをしがちなのでしょうか。
 
この場合はまず自分の判断が正しかったのかどうかを考える必要があります。株価尺度からみて割安だと考えても、この基準になる業績や配当が間違いないと思い込んでいなかったかどうか、悪材料がないという判断が正しかったかどうかということです。市販されている参考資料や、証券会社の出版物の会社記事で確認したから間違いないと考えていたら、それは決して判断が正しいとは言い切れないのです。会社は生き物です。表に出ている会社記事や業績の予想は過去のものでしかありません。これを参考にして投資判断を下した時点で、すでに会社の状況は悪い方に変化しつつあるかもしれません。この変化が表には出てこなくとも、株価はこれを察知して上下に動くのです。表に明らかになっていなくとも株価は動くのです。
 
このように会社の変化の状況を株価は敏感に察知するのですが、事実株価が動いた後に悪材料や好材料が明らかになることが多いのです。決してインサーダー情報や早耳材料で動くわけではないのです。なぜ、株価はこうしたことを敏感に察知するのでしょうか。会社には多くの人が働いています。この働いている人の何気ない友人や家庭での話が株価に反映されるためです。例えば、最近は残業が増えたとか減ったとかいう話だけで、投資家のなかには敏感に会社の状況を考え、投資行動に移す人もあるわけです。ですから、株価が自分の判断とは違った動きをみせる時は、自分の知らない悪材料・好材料が潜在している考えた方がよいのです。相場が自分の知らないことを教えてくれているわけですから、その時は自分の判断にこだわらない方がよいことになります。自分で判断することは大切ですが、自分の判断のもとになった材料以外のことを相場が教えてくれることがあるわけです。「相場は相場に聞け」という格言がありますが、このことを指しているのです。こだわりや思い込みだけでなく、株価の動きも判断の材料にする必要があるのです。

 

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