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63. 栄枯盛衰世の習い・既成概念を捨てよう
■株式投資の選別対象について考える場合に、例えば、「優良株」という概念があります。新聞の市況解説記事では、「優良株中心に利益確定の売りで下げる」といったような記事をよく見かけますし、雑誌記事などでは、「今後の物色対象はハイテクの優良株」といったような言葉が目に入ります。ところで、この優良株というのはどのような概念でしょうか。一般に優良株とはどんな株かと尋ねたら、業績や財務内容などに優れた企業だという答えが返ってくるはずです。それも社会的に名の売れた企業を指していると考えられます。特に社会的に名の売れたところに関心が強いようで、優良企業を列挙しなさいといえば、トヨタ自動車、日立製作所、NEC、ソニー、松下電器産業、武田薬品、富士写真フイルム、東京電力、NTTといった大企業が挙げられるでしょう。
■しかし、投資家にとっての優良株というのは、この社会的概念としての優良株とは違うはずです。投資家にとっての優良株とは、保有することによって株価の値上がりなどで資産が膨らんでいく株のことであるはずです。如何に社会的に知名度の高い企業でも株価がまったく上がらず、逆に大きく値下がりするようでは、投資家にとっては決して優良株とはいえないはずです。株価は基本的に企業の収益成長や財務内容の充実度とともに上昇していくものです。知名度が決定するものではありません。この収益成長や財務内容の充実ぶりが目立つ企業が優良株にほかならないことになります。ところが、栄枯盛衰は世の習いと言いますが、企業の成長力なども時代の変化とともに移り変わりをみせるものです。ということは過去に優良株であっても、現在は優良株といえないような銘柄もでてくるわけです。こうした銘柄は株価も上昇せず下降する可能性の方が高いことになります。
■ところが、銘柄に対するイメージというものは何時の間にか既成概念になってしまい、これに囚われるケースが少なくないのです。過去においては確かに優良株であった銘柄で現在ではとても優良株とはいえない状況になっているのに、この既成概念のために優良株のイメージを持ち続けるというケースが意外と多いものです。しかし、こうした銘柄が現在は決して優良株ではないわけですから、株価は期待したような動きをみせてくれないということになります。これは過去の優良株イメージで銘柄選別しても成果は上がらないということです。先に挙げた銘柄群でも現時点では優良株といえないような銘柄もあるはずです。それが挙げられているのは既成概念が現在でも生き続けているためです。既成概念に囚われて、過去の優良株が必ずしも現在では優良株ではないことを見逃しますと、実際には優良株ではなくなっている銘柄を買ってしまう間違いを犯してしまいます。既成概念を捨ててみること、これが投資家にとっての優良株を選び出す重要なポイントになります。
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