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68. 経営者の姿勢に目を向けよう
■最近目に付くことは、企業倫理が地に堕ちたケースです。国内の典型が雪印食品で明るみにされた雪印グループの事件です。海外では米国のエンロン事件が大きな話題になっています。いずれも企業が社会の公器である事を忘れた結果の出来事です。株主はこれによって大きな痛手を受けました。投資家は企業の何を信頼すればよいのかという思いを強くしているはずです。厳しい経営環境ではあっても、経営者が目先の利益を追求して何でも有りという姿勢では必ず問題が生じるものです。
■倒産企業のほとんどは、経営陣が企業はゴーイング・コンサーン、すなわち永遠に存続することを第一義にすることを忘れた結果なのです。株主に対する責任は忘れ去られているということです。このような経営者の企業では、投資してもどこで梯子を外されるか分かったものではありません。アナリストの世界では、企業はまず「経営者を見よ」と言います。数字は悪意のもとでは、どのようにでも作ることが出来ます。表面上の数字だけで騙される場合もあるという意味が「経営者を見よ」という言葉に込められているのです。もっとも、一般投資家が経営者を判断することは難しいものです。ただ、判断する手段がないわけではありません。2例を挙げておきましょう。
■一つは会社を訪問して、受付なり応対者の態度を見ることです。あるいは電話をかけてみることです。この対応の仕方で、ある程度はその会社のことが分かります。社員教育の程度を知ることができるからです。一事が万事といわれますように、企業の社員教育の程度がこうしたことに反映されます。社員があっての企業であり、社員教育の徹底は社員を大切にしやる気を起こさせていることを意味します。これは長期の視点で企業経営を行なっていると判断する一つの材料になります。
■二つめは経営陣が出処進退に潔いかどうかということです。これは社長の在籍年数などが参考になるでしょう。経営者というものは居心地がよいもので、上り詰めるとできる限り長く続けたいと思うのは当然です。何か問題が起きても、後始末するのがトップの責任と語る人が少なくなく、座を退いても何らかの形で影響力を残そうと画策するケースがみられますが、この場合は椅子に対する執着心が強いか、何か隠された問題がある場合が少なくありません。いずれにしても社長が長すぎるというのは、株主より我が身が可愛いということにほかなりません。
■代表的な判断方法を紹介しましたが、はしごを外されても構わないという投資スタンスなら別ですが、株主軽視の経営では投資家のことは眼中にないわけですから、こうした企業は長期の視点で投資する対象から外すのが賢明なように思われます。
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