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72. 人気の連鎖を生かす
■2000年代になって、同じ産業界でも優勝劣敗の動きが鮮明になった時代といわれています。イトーヨーカ堂とダイエーの例をみれば、多くを語る必要もないでしょう。こうしたケースはいずれの産業界においてもみられることです。このため、有望銘柄も業種で見るのではなく、個々の銘柄で選別していく必要があるといわれるようになりました。しかし、現実には相場では人気の流れも、依然としてIT関連、半導体関連、バイオ関連といった括り方や、自動車株、薬品株、電力株といったようにグループで移り変わる傾向は変わっていません。この人気がグループごとに移り変わることを循環物色といいます。
■この循環物色の動きを上手に捉えれば、短期投資でも成果を得られる場合もあります。しかし、「電気が消えてお化けが出る」という言葉がありますように、電機株の次は化学株というジンクスが昔にはあったようですが、循環物色の順番にルールがあるわけではありませんから、このようなジンクスを頼りにすることはできません。したがって、次はどのグループに人気が循環するかといったことを事前に予測することはできないのです。もっとも方法が皆無というわけではなく、出来高の推移や株価の位置関係などと環境材料の変化などを総合的に判断して予測することは可能ですが、高度のテクニックと長い経験が必要ですし、その予測が当たるという保証もありません。
■物色人気が移動する時、その先兵として特定の銘柄が動き出すものです。例えば電子部品株でしたら、ロームとかアルプスといったような業界を代表する銘柄です。このような特定の銘柄が動きだすことが、そのグループに人気が巡ってくるような変化が生まれたことを示す狼煙になります。電子部品の受注が底入れしたとか、価格が底入れしたとかというような変化が、表に数字で明らかにされる前に、代表銘柄の株価の動きに反映されることが多いのです。インディアンは狼煙を上げて、事件の発生を次々に伝えていったといわれますが、この代表銘柄の動きは、その業界に変化が生じていることを伝える狼煙と考えることができるのです。
■狼煙を上げた代表銘柄を一般の投資家が当初から手を出すことは困難でしょう。事情痛だけの特権かもしれません。何が何だか分からないうちに上がってしまうことがあり、これを狙うことは後追いになりますから、狼煙で知らされたことを上手く利用することが重要になります。狼煙はグループ銘柄に人気の連鎖反応を呼ぶ場合がたびたびあるからです。狼煙を挙げた銘柄が属する業界の状況を調べ直して、類似性のある銘柄を選び出して投資することで、人気の連鎖を上手く成果に結び付けることも可能になります。単純に二番手を狙うというのではなく、事業内容など業態が類似していることも重要なポイントになります。
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