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内閣支持率と株価
森内閣不信任案の採決は国民の多くが注目した出来事でした。その経緯や結果はともかく不信任案提出に当たっての国会論戦で、野党は森内閣になってから世論調査の支持率の低下とともに株価が下落し、景気に悪影響を与えていると攻撃していました。そこで内閣支持率と株価との因果関係を調べてみました。
最近の橋本、小渕、森の三代にわたる内閣では、支持率と株価の相関関係が高いことが実証されています。橋本内閣は96年1月に発足しましたが、内閣支持率のピークは発足直後の96年1月の54%、以後は97年9月まで40%以上をキープしていましたが、その後98年8月の25%まで急降下して、小渕政権に替わっています。この間の株価の動きを日経平均でみますと、就任直後の2万円強から、40%台キープの97年9月までは1万9000円台を維持していましたが、支持率低下とともに1万4000円台まで下落しています。小渕首相も就任当初の支持率が25%、それが10月には17%まで低下しました。株価が1万2879円とバブル崩壊後の最安値をつけた月です。その後はじりじりと支持率が上昇し、99年9月には46%まで上昇し、その後も40%前後で推移していました。この間の株価の動きをみますと支持率最低の時を安値にして、今年4月の2万833円まで大きな値上がりをみせました。森内閣の支持率のピークは政権を引き継いだ直後の4月の36%、株価のピークに一致します。以後はジリ貧状態が続き直近では19%と就任後の最低に落ち込んでいます。この間に株価は低落傾向を続け、1万4000円台に下落しています。
これにみる限り内閣支持率と株価が深い関係にあることが分かります。ただ、橋本内閣と小渕内閣の支持率の推移は景気情勢と深い関係にあり、橋本内閣の支持率が低下傾向に入った時期は金融倒産が始まった時期であり、一気に景気不安が高まった時です。小渕内閣の初期は金融危機の最盛期にあり景気の先行き不安が大きく高まっていました。このため、金融危機に対する対応の遅れや国費を投入することに批判が集中したのです。しかし、小渕内閣の対応が金融危機を終息させ、景気を回復軌道に乗せたことが評価されて、その後の支持率の上昇につながりました。世論調査というのは美人投票のようなもので、その時の世相に影響されるといいますが、景気と密接な関係にあることがうかがえます。さらに過去に遡って歴代の内閣をみても、政策批判が表面の材料にはされていても景気情勢と密接な関係があることがわかります。生活実感が内閣の評価につながっているのです。これから明らかなことは、内閣支持率が株価と関係が深く、これが景気に影響するというのではなく、内閣支持率は景気に影響され、景気が株価にも影響しているということです。
それでは森内閣の場合はどうでしょうか。景気は回復軌道にあるのに支持率が低下しているのはなぜかと言われるかもしれませんが、森首相個人の問題もさることながら、経済企画庁の景気判断が11月に一歩後退していることに象徴されるように、景気に黄信号が灯ってきたためとみるのが正しいのかもしれません。景気の変調を肌に感じた支持率の低下とみることもできるわけです。株価の不振もこの景気変調を懸念してのものかもしれません。今後の景気の行方を注視する必要があることを示唆しています。ただ、景気や株価と離れて過去に内閣支持率が20%を割り込んだケースをみますと、いずれも内閣は末期を迎えています。この例からすると政権交代の時期は近いのかもしれません。これで株価が反発するかどうかですが、やはり景気次第ではないでしょうか 。
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