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| 28.株式市場は冷静さを取り戻した? ■株価は再び軟調な推移に転じています。小泉内閣誕生で一時は1万4000円台を回復したものの、誕生から僅か1ヵ月余りで、1万3000円の攻防になっています。これをどのように考えたらよいでしょうか。市場が構造改革に最大の関心を持っていたことから小泉内閣の誕生は理屈抜きに歓迎されました。小泉首相の「構造改革なくして景気回復なし」、「血が流れるのもやむを得ない」という言葉が、市場には気持良く聞こえたのかもしれません。しかし、痛みを伴う構造改革は、当面の景気に大きく影を落とすことになりかねません。株価は基本的に景気・企業業績といったファンダメンタルズを基盤にして構築されるものです。この基本的な点を忘れて、市場は小泉首相を誕生させたポピュリズムと同じムードに浸っていたということになります。 ■しかし、現実に景気が再び後退色を強めつつあることは、多くの景気指標にも明らかなことです。景気動向指数や鉱工業生産指数の動き、さらには雇用情勢などが景気の厳しさを示しています。デフレ経済の申し子とみられていたユニクロの売上の伸びが大幅に鈍化してきたことでファーストリテーリングの株価がストップ安を演じましたが、それだけ市場が景気動向に神経を尖らせ始めたことを象徴しているといえます。景気が下降に転じた時は、政策手順のちょっとした後先がとんでもない結果を生みかねません。バブル崩壊以降でも、橋本内閣が誕生し7大構造改革を掲げて構造改革に着手した結果が、着手した初手で早くも景気の大幅な落ち込みにつながった経験に明らかです。構造改革を旗印にした小泉内閣誕生を、市場はとりあえず歓迎しましたが、これも結果的には上滑りの人気でしかなく、景気の現状を考えるにつけて先行きは一段と厳しくなるという不安が頭をもたげて、小泉人気の剥落につながっているわけです。 ■現在のファンダメンタルズを考えた場合、構造改革の強行はファンダメンタルズを一段と悪化させる可能性があります。市場がムード的なものから、本来の冷静さを取り戻してきた結果が、現在の軟調な相場展開に結びついているといえます。構造改革は避けて通れないことですし、可能な限り迅速に進める必要がありますが、現在がデフレスパイラルの入り口に立っていることを考えると、この構造改革による景気へのインパクトをやわらげる政策も不可欠だといえます。この辺を十分に理解して小泉内閣が動いているのかどうかを市場は冷静に見守り始めたとみることができましょう。世論調査に象徴されるポピュリズムとは一線を画した冷静さを市場が取り戻したと考えられ、投資行動もムード的なものから離れて冷静な対応が求められます。 |
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