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30.不景気の株高になる条件

景気の足取りがおかしくなってきました。今年1−3月の実質成長率はマイナス成長になり、さらに4−6月もマイナス成長が続くとみられています。政府の経済報告も景気悪化を認めており、日銀も景気の悪化傾向を認めています。しかも、小泉内閣はマイナス成長になっても構造改革を実行する姿勢を明らかにしています。これでは企業業績も期待できないのが当然で、2002年3月期は経常利益が減益に転じるという見通しになっています。ファンダメンタルズからみると、相場が反転上昇する環境にはないといえるわけです。実際に株価は景気悪化を懸念して不振な動きが続いています。この状況が長期に続くとなると、相場不振が景気に悪影響を与える逆スパイラルの落とし穴に落ち込む危険性があります。
 
もっとも不景気だから株価の不振が続くというのは原理原則であって、不景気のなかでも株高になるケースもあります。これを不景気の株高と呼んでいます。不景気のなかで株高になれば、これが呼び水となって景気が回復に向かうことも予想できるわけです。現在の状況で、これが期待できるかどうかが今後の相場をみる上での重要なポイントになります。過去、不景気といえば財政面からの対策と金融緩和政策が重なって、不景気の株高につながったケースは少なくありません。しかし、現在は構造改革路線から財政政策は期待できません。金融緩和政策も実質ゼロ金利まで金利が下げられ、量的緩和についても日銀は十分だというスタンスにあります。不景気の株高を生み出すタネがないのです。
 
それでも状況次第で不景気の株高が実現する可能性が皆無だとはいえません。米国当局者や学者が求めている政策です。構造改革を急げという話だけが表面にでていますが、一方で景気にも強い関心を持っており、このためにはもっと金融を量的に緩和せよといっているのです。日銀は目一杯緩和しており、これ以上緩和しても銀行の貸し出し増加につながるものではないと拒否反応を示していますが、さらなる量的緩和は二つの点で効果があると考えられます。一つは心理的効果です。日銀がこれでもかこれでもかと金融を緩めて景気下支えの努力をしているというメッセージを送ることができます。第二は為替相場への影響です。これが円安につながり輸出採算向上と輸入デフレにブレーキをかけることになります。金融緩和が景気にも相場にもプラスしていないのはカネがあっても動いていないためです。動かす工夫が必要なわけで、この二つの効果はカネが動くきっかけになり得ます。金融相場という不景気の株高にもつながる可能性があるわけです。さらなる量的緩和の手段としては長期国債の買い切りを増やすことが挙げられます。日銀がここまで踏み切れるかどうかは難しい感じもしますが、今後の日銀の動きには注目する必要があります。
 

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