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33.原油価格のバレル30ドル説をどう読む

米国エネルギー省は、短期エネルギー見通しを発表しました。これによると落ち着いていた原油価格は今後上昇傾向に転じ、指標銘柄のWTI(ウエスト・テキサス・インターメディエート)の価格が9月にはバレル当たり30ドルに接近すると予想しています。OPECが7月総会で増産を見送った一方で、需要増が続くためというのが理由です。この見通しを受けて、すでに最近の価格は28ドル台に乗せ、6月の平均価格に比べて約1ドル上昇しています。もっとも、昨年秋の高値が37.2ドル、今年高値は2月の31.6ドルですから、30ドル説に驚く必要はありません。この程度の上昇にとどまるのなら、原油価格の季節性を映した動きの範囲内とみるこもできます。
 
米国エネルギー省では、30ドルに接近した後は、緩やかに28ドル程度まで下落していくと予想していますが、これについては異論もあるようです。OPECが増産を見送る姿勢を続けるならば、秋口から年末にかけては冬場の暖房用需要の備蓄手当てが始まるから、需給はタイトになっていく可能性があり、予想とは逆にじり高をたどる可能性があるというのです。さらに9月にかけて30ドルという見方も甘いとする意見もあります。世界的に平均を上回る暑さが到来する兆候をみせており、電力用の需要が急増する可能性があるというのです。確かに原油需要は天候条件に大きく影響されます。地球環境破壊が進んでいる影響かもしれませんが、世界的に異常気象が発生しています。OPECの生産動向と気象条件が原油価格の行方を決めることになりますが、OPECの生産動向は極めて政治的であり、中東情勢との関係が深いものがあります。再び中東が緊張し、猛暑が訪れた時の冬は厳寒がくるというジンクスが生きれば、原油価格がこの冬に30ドル台半ばまで上昇する可能性がないとはいえないわけです。
 
注目されるのは米国のエネルギー政策です。ブッシュ大統領の基盤がテキサス州であることを見逃してはならないと思います。石油資本にプラスになるエネルギー政策がとられていく可能性があります。米国のエネルギー産業が活気を取り戻すには原油価格の上昇が有力な手段になることも念頭に入れておく必要があるでしょう。いずれにしても、秋口から春先にかけては、原油の需要期ということもあって原油価格の推移が注目されるシーズンになります。わが国にとっては円安の状況にあるだけに、原油価格が上昇すればダブルの影響を受けます。ただ、石油株には支援材料になります。暑い夏場に冬の話は時期尚早かもしれませんが、國際原油市況の動き、これを取り巻く政治・気象などをウォッチする必要がありましょう。
 

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