| ← 33章へ戻る | コラムトップへ戻る ↑ | 35章へ進む → |
|
|
| 34.流れに棹差す投資家心理 ■投資家の誰でもが経験していることと思いますが、投資家心理とは不思議なもので、株価が高くなると買いたくなり、株価が安くなると売りたくなるものです。高くなると買い損ねて儲けのチャンスを逃すと考え、安くなると今売らないと損が大きくなるという恐怖感にとらわれるためだと思いますが、「人の行く裏に道あり花の山」、「麦わら帽子は冬に買え」といった相場格言は、こうした投資家心理とは逆の行動をとりなさいということを語っているわけです。そこで注目されるのが最近の某経済紙の記事です。これは機関投資家のファンドマネージャーを対象にアンケート調査をした結果の記事です。いま「買いたい銘柄と売りたい銘柄」というテーマのアンケート調査でした。無記名ですから結構本音が出ていると思うのですが結果に驚きました。有力ファンドマネージャーですら一般の投資家心理と変わらないことがわかったからです。 ■買いたい銘柄はともかく、「売りたい銘柄」の上位に並んでいるのは、ほとんどが電機株でした。筆頭がTDKと松下通信工業、このほか村田製作所、富士通、東京エレクトロン、アドバンテストと続き、このほか電機株ではありませんが関連といえる古河電気工業、日本板硝子などが挙げられていました。現在IT人気が急離散しており、また2001年度業績が悪化する見通しにあることを考えれば、この気持ちも分からないではありません。しかし、これら銘柄のほとんどが、すでに昨年高値から3分の1以下になっているのにという思いがしました。一般に人気沸騰の銘柄でも特殊な例を除けば、下値のメドは「半値8掛け2割引き」の水準だといわれています。高値の32%の水準だということです。事実、TOPIXも米国NASDAQ指数も、史上高値からの下落はこの水準より上で止まり下値を確認しています。 ■この経験則からすれば、売りたい銘柄はすでに売る段階ではなくなっているということです。しかも電機株のほとんどが2002年度業績は回復に転じる見通しにあります。シリコンサイクルの影響で業績の循環的側面が強く出るようになりましたが、IT化の動きは終わったわけではなく、まだこれから新しいフェーズに入るとみられていることを考えれば、将来的な成長期待は十分にあるわけです。しかも、電機株の中には2001年度予想利益ベースでPER水準が市場平均の28倍を割り込んできている銘柄も少なくありません。長期の視点で資金を運用する機関投資家なら、現在こそ投資のチャンスと考えているだろうと思っていたのですが期待はずれだったわけです。恐らく動き出してかなり戻った段階で強気に転じるのだろうと思います。投資家心理は流れに棹差しがちだということが立証されたのですが、冷静な判断のうえで流れに逆行する勇気こそが大切ということを改めて知らされた感じがしますが、皆さんはどうお考えになるでしょうか。 |
|
|||||