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73.200日移動平均線上昇転換の意味

株式市場は投資家心理が大きく影響する世界。投資家が手がかり材料難の時に頼りにするのがテクニカル指標。テクニカル指標は過去の経験則に照らして相場の行方を占うというもの。このように考えた時、2002年の5月末時点では日経平均の200日移動平均線が、6月前半に横ばいから上昇転換する可能性が強まってきたことは、今後の相場を占う上で大きな出来事だと考えるべきです。すでに相場転換を予見する指標であるゴールデンクロスは5月13日に実現しています。ゴールデンクロスとは100日移動平均線が下方から200日移動平均線の上へ突き抜けることをいいます。これに200日移動平均線の上昇転換が加われば、経験則から相場の上昇転換が確認されることになるからです。
 
もちろん、この動きにも騙しがあるわけで、200日移動平均線が上昇転換して、その底値から1%以上上昇したケースは取引所再開後の53年間でもわずか15回しかありません。しかし、現在の1万1500円前後の株価水準が維持される限り200日移動平均線は上昇を続け、6月末には転換時点から1%以上上昇している可能性が十分です。2001年9月中旬以降、2002年2月までは株価は1万1000円以下で推移しているためです。したがって、今回は騙しになる可能性は極めて薄いと思われます。

200日移動平均線が上昇転換して1%以上上昇した場合には、いずれの場合も相場は上昇し、そのうち12回は転換時点からの日経平均上昇率が10%以上に達しています。90年以降の大勢下降時においても、このシグナルは3回出現しています。93年5月、95年11月、99年3月です。転換時点から日経平均の上昇率は、それぞれ19%、24%、32%でした。最も新しいケースの99年3月の場合をみますと、その後のピークは2000年4月でしたから、約1年1ヵ月上昇トレンドを続けたことになります。今回も同様の動きが期待できると想定すれば、来年半ばまで上昇が続く可能性があり、株価も日経平均で1万5000円台乗せが予想できることになります。

こうしたテクニカル指標による経験則は単に過去のケースはこうだったというだけに過ぎず、そうなるとは限らないという意見も聞かれます。確かに過去の経験でしかないのですが、専門家の多くがこのテクニカル分析を重視しており、投資行動の手がかりの一つにしていることを無視することはできません。経験則が投資家心理を動かす要因になっているのです。それだけにゴールデンクロスに次いで長期移動平均線の上昇転換という貴重なシグナルが出現することを軽視するわけにはいかないようにも思えます。
 

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