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81.異常気象で高騰する穀物市況

地球の温暖化が進行しているためか、2002年も世界的な天候異変に見舞われています。天候異変は様々な影響を与えますが、その最大のものが穀物など農産物の収穫減です。世界の穀倉地帯に旱魃、洪水、日照不足などの異変が生じ打撃を与えるためです。2002年も世界最大の穀倉地帯の米国中部では高温少雨の旱魃が発生、また欧州中部の農業地帯、中国中部では多雨による洪水被害が発生するなど、主要穀物生産地に大きな影響を与えています。小麦、大豆、とうもろこしが3大穀物といわれます。小麦・大豆は食料の原料として最も重要なものであり、とうもろこしは家畜の飼料穀物として大切です。穀物の減産は需給関係に影響を与え、穀物価格を押し上げます。これが食料品価格をも押し上げて家庭の台所を直撃することになります。古い話で忘れられているかもしれませんが、1988年に米国穀倉地帯が熱波に襲われ大豆が凶作となった時は、大豆市況が暴騰、その影響で日本国内では豆腐や納豆、さらには醤油・味噌の価格まで上昇しました。
 
米国農務省は2002−2003年穀物年度(2002年9月―2003年8月)の収穫は軒並み従来予想より下方修正し、95−96年穀物年度以来7年振りに低水準のものになるとしています。これを映して穀物市況もここへきて急騰しています。4月初めと比較すると、8月中旬時点では、とうもろこしが2.71ドルで34%、大豆が5.83ドルで22%、小麦が3.48ドルで22%の上昇をみせています。前回の穀物市況上昇時のピークは、とうもろこしが96年5月の4.95ドル、大豆が97年5月の8.7ドル、小麦が96年5月の6.15ドルでした。この水準にはまだまだ余裕を残していますが、とうもろこしで3ドル台、大豆の7ドル台、小麦の4ドル台乗せは間違いないとの観測も生まれています。今後の天候推移や米農務省の収穫予想の修正動向が注目されます。

穀物市況が株式市場に大きく影響を及ぼすことはなくなりました。昔は製品値上げと原料在庫の評価との関係から製パン株、ビールなど醸造株が、さらにとうもろこしの代替物として魚滓が注目されたため水産株が人気を集めたものです。現在は飽食の時代のせいかもしれませんが、あるいはわが国の主食である米の豊作が続いているためか、穀物市況の上昇には関心がないようで、株式市場でも無視された状況にあります。しかし、大豆や小麦を原料とする食料品が多いことを忘れてはなりません。大豆市況が7ドル台に乗せれば、春先に比べて約5割高に、小麦が4ドル台に乗せれば4割高となります。これが製品価格に跳ね返ってくる可能性があるわけですが、需要動向から値上げが難しいとなれば、コスト高による収益圧迫が懸念されることになります。企業も合理化の一環で原料在庫を豊富に抱えている状況でなくなっているとすれば、食品株にとっては総じてマイナス材料になりかねません。一過性の材料かもしれませんが注目しておく必要があるでしょう。
 

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