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| 84.イラン問題と株価 ■米国同時テロから1年を経過したが、これが残した爪跡は米国のみならず、世界各地に様々な形で残されています。そのなかで話題になっていることは、米国がイラクを何時攻撃するのかということです。イラクを攻撃することはまだ不透明なのですが、多くのニュースは米国政府がイラク攻撃に向けて着々と布石していることを伝えています。欧州諸国やロシア、中国、さらには親米のアラブ諸国は、米国のイラク攻撃には反対の意思表示をしていますが、これを乗り越えて行動を起こすのかどうか予断は許されません。 ■問題は、このような戦火が株式市場にどのような影響を与えるかということです。特に当事者である米国市場がどのような反応をみせるか注目されます。アフガニスタンにおけるタリバン攻撃とは違い、明らかに国家間の戦争であり、アフガン問題とは区別して考える必要がありましょう。これに類似するケースとしては、イラクのクウェート侵攻に米国が介入した湾岸戦争がありますが、これもアラブ同士の戦いを支援したもので、米国が直接の当事者とはいえません。したがって、ケース的にはベトナム戦争まで遡ることになります。 ■ベトナム戦争を開始した時は、株価はほとんど影響を受けませんでした。遠い国での戦いで、直接米国本土を脅かすことはない、短期間で終了するだろうという甘い考えが背景にありました。しかし、戦争の長期化のなかで戦死者が増加し戦費も膨らんだことから、次第に国内には嫌戦ムードが台頭、徐々に株価にはマイナスに作用するようになり、株式市場の死といわれる長期の低迷相場につながっています。イラク攻撃は軍需を生み、景気のてこ入れ策になるという見方もありますが、攻撃による報復テロへの不安の拡大を考えれば、ベトナム戦争当時の学習効果からも、イラク攻撃は嫌気材料になる可能性の方が大きいと予想されます。 ■日本市場への影響はどうでしょうか。遠い国の戦争は買いといわれたのは昔の話、グローバルな関係が蜜になり、しかも米国の影響を受けやすい日本市場の現状を考えれば、やはり嫌気材料になる可能性の方が高そうです。ただ、従来のように有事のドル買いの動きが強まれば、円相場が円安に動くことになり、輸出関連株が買われるということも考えられないではありませんが、市場がそのような単純な考えで動くかどうかはわかりません。いずれにしても、短期に決着が着けばよいのですが、決着に手間取るようですと、米国市場の動向やテロへの不安の方が高まる可能性があります。最も望ましいのはこうした事態が生じないことです。暫くは目の離せない材料です。 |
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