今週のひとこと 〜見せしめ〜
◆10月のある日。続々と上がる中国P株銘柄(民間企業)の不祥事報道を見ながら、S部長がため息をついた。「いい見せしめや〜なあ、もう」。
日本でも食肉の産地偽造事件など、不祥事が露見した企業はフクロにされるが、それはどちらかというとマスコミのバッシングと、それに煽られて騒ぐ消費者の非難によるもの。中国の場合は当局がすべて取り仕切っている。
◆中国産農作物の残留農薬問題というものも比較的記憶に新しいが、「バレなきゃ、何やってもOK」という罪の意識の欠落は日本人の特性だが、中国人民については「パクられなきゃOK」と、さらに一歩進んで堂々としているように思われる。かの地では「騙すのは賢い証拠、騙されたほうがバカ」とさえいう。
◆こんな調子だから「おいおい、いいのか…?」と言いたくなるような野放図から一転して「そこまでやるか!?」と唖然とするような締め付けが行われることがある。なにしろ「違反を罰する」ための処分ではなく、「お前らよく覚えとけよ」という意味合いなのだから。
◆話はそれるが、事故や事件報道にも、国民性の違いは現れる。かの地では加害者はおろか被害者の姿も、日本のマスコミを上回る勢いで暴露される。事故・事件現場の悲惨な写真など、強烈なものほど大きく、一面を使って掲載される。大火災の実況中継(?)がテレビで放映された時は、あまりの強烈さに情緒不安定に陥る人が後を絶たなかったという。
◆一方、現地メディアの事故・事件報道を見た日本人は口をそろえて「いや〜、気をつけよう」と火のもとや防犯に対して気を引き締めていた。
たしかに、くどくど説教するより他人の不幸を見せ付けるほうがよほど有効というもの。一理ある気が、しないでもない。(越)
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今週のひとこと 〜働くアジア女性〜
◆ある日、T部長の中国出張報告会があり、そこで話題が中国人のライフスタイルに脱線。日常的に家族で外食して家ではあまり料理をしないという、中華圏や東南アジアでは当たり前の「外食文化」に話が及び、アジア株チーム以外のスタッフから驚きの声が上がりました。「家で炊事をしないなら、奥さんは何をしてるのか!?」と。
◆答えは「働いている」。掃除洗濯子どもの世話は親に頼むか人を雇い、共稼ぎでせっせと住宅ローンを返済します。投資にも励みます。これは私が香港時代に入居していたアパートの家主(女性)の話ですが、マイホームを買っただけでは終わらず、頭金を貯めて2つ、3つと物件を買いあさります。買った物件からも賃貸収入を得てローンに充て、将来は子どもに分けてやるんだとか。特に裕福とかではない、普通の勤め人オバサンが、です。
◆香港人OLも、当たり前に子どもがいて、当たり前に働いています。「移民する」とか「転職する」ため退職する人はいても「結婚・出産退職」は聞いたことがありません。彼女らが特に高待遇のキャリアウーマンだということもありません。
◆中華圏を中心にアジアで「女性の社会進出が進んでいる」と見えるのは、「子どもはジジババか子守りに任せて、母チャンは若いんだから野良へ出ろ」という農村的な生活様式によるものではないかと思います。低賃金で、お手伝いさんや子守りを雇えるのも重要なポイントでしょう。隣国から、あるいは国内の貧しい地域から、「おしん」のような労働力はいくらでもやってきます。
◆経済的価値が見出されにくい家事労働も、アウトソーシングすれば立派な経済活動。一つのリッパな産業になります。これもアジアの活気を支える要素じゃないでしょうか。(越)
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今週のひとこと 〜コミックで見た「中国」〜
◆私の唯一最大の娯楽はコミックです。といっても描くほうはやりませんが。ちょっと前まで、コミックに描かれる中国の姿は、『三国志』などの歴史物か、『○ラゴンボール』のような冒険モノ、カンフーものが大半でした。しかし最近では、中国ビジネスやら、中国雑貨がかなり身近になったせいか、登場する中国の姿もかなりリアルになったと感じます。
◆私が愛読する週刊誌に連載されている作品で『取締役 ○耕作』というのがあります。この○耕作さん、よく分からないけれどトントン拍子に出世し、舞台もニューヨークだったりロンドンだったり、ベトナムかと思うと今度は京都から、と華やかに展開していますが、最近は現地法人社長(総経理)として上海に赴任されました。
◆上海では、先行する海外他社と現地メーカーとの挟み撃ちにあう日系企業の姿など、とてもタイムリーで興味深いのですが、特に私が「あれ?」と思ったの
が、○耕作さんの中国人秘書(もちろん才色兼備)の態度でした。
◆上海の街を彼女のガイドで歩いた○耕作さんは、地元っ子ご贔屓の店で昼食を摂ります。そこで、秘書嬢の分も一緒に会計をしようとしたところ、秘書嬢はキッパリとそれをはねつけました。それも半額ずつ払うよう申し出たのではなく、各自のオーダーした分だけを払うよう、速やかに支払額を計算します。○耕作さんはその彼女の姿にホレボレして「中国にもこんな人材がいたか」と信頼を増すのでした。
◆彼女のやり方は直属の○耕作さんには「欧米的に洗練されており、意識も高い」と好感されたわけですが、現実的に考えたら、中国人としてはかなり変わり者の部類ではないでしょうか?
中国で、上司(それも社長)に「私の分は私が払います」なんて突っ張ったらどうかと思いますが・・・。○耕作さんだってタテ社会の日本(それも最終勤務地は博多だった)からやってきた日本人です。彼女は果たして分かってやっていたんでしょうか?
(越)
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〜自転車の話〜(2002/10/7)
◆アジアというと「道路いっぱいに自転車が行き交う通勤風景」をイメージされる人がいるようです。ですがそれは主に中国本土のことで、香港なんかでは自転車に乗れない人が圧倒的多数。バス、ミニバス、地下鉄など公共交通機関が発達し、それも超過密都市のため乗り場までの所要時間が極端に短いためです。2階建てバスがうようよする街道ではタクシーすら踏み潰されそうで、自転車なんて命
懸けです。
◆台湾は、交通量はやはりスゴイのですが、香港ほど市内交通が充実していない(地下鉄などはありますが、広さが香港とは段違い)分、スクーターとかオートバイを利用する人がとても目立ちます。自転車を使う人もいますし、国内に有名なメーカーもあります(台湾9921、ジャイアント)が、どっちかというとスクーターが優勢に見えます。
◆スクーターといえば、ベトナムとかの東南アジア諸国でも、ふつうのOLさんやサラリーマンが通勤手段として愛用しているようですが、自転車を日常的に通勤通学に使っている人はそれほど多くないようです。日本国内でも、沖縄なんかは自転車を使う人が極端に少なくて、自動車&スクーター社会という感じでした。
◆自転車は燃料も免許も要らないのでリーズナブルですが、20分も漕いだらかなりの運動量です。トロピカルな気候の土地にはマッチしないのかもしれません。それはそうと、アジアン企業のニュースなどをチェックしていると、資金調達の目的がローンの借り換えだったり、現金の流動性も高いというか、「金は天下の回り物」というコトバが思わず浮かぶことがあります。「自転車操業」より、もっと馬力のあるところで「スクーター操業」といったところでしょうか。(越)
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〜ネットベンチャー〜(2002/9/10)
◆チョンコン(香港#0001)系でGEM上場のトムドットコム(#8001)が、中国の出版業に着手するそうです。パートナーは三聯書店という、北京を基盤にした本屋さん。チャイナ・ウォッチャーを自認する人ならば一度はお世話になっていると思われます。新聞以外の活字をほとんど読まない、出版砂漠の香港にあっても、トラム沿線にある三聯書店にはいかにも「読書人」といった人々が集まり、物静かな雰囲気を醸しています。
◆トムドットコムはといえば、香港きっての御曹司リチャード・リーの会社で、何かと注目を集め、やることも派手。私の昔の知り合いが一時勤めていたことがありますが、あっという間に業務売却に遭ってしまったそうです。
◆知人が担当していたのは、ウェブでの中国観光ガイド。ネットバブルに乗って立ちあげたものの、売り上げや利益をどう計上するのかが不明なまま走り出してしまい(!?)、借金が膨らんですぐに首が回らなくなったらしい。しかし待遇は良く、知人の場合で給料は前職の2倍、残業はナシで解雇手当てもしっかり貰えたというからスゴイ。
◆「失敗を恐れず、まずはチャレンジ」と意気込みだけで何か始めるのは、香港企業にもベンチャー企業にもありがちなこと。外資企業としては初めてとなる中国出版業界への進出、くれぐれも後進の妨げとならないよう、リチャード君には心してかかって欲しい――と願う、市井の民です。(越)
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〜大手とは〜(2002/9/2)
◆アジア株についての問い合わせで、「何々業界で大手と言われる銘柄を教えてく
れ」というリクエストを受けることがあります。韓国のサムスン電子(エレクトロ ニクス)とか台湾のフォーモサ・プラスチック(台プラ)みたいな超有名銘柄が挙
げられればいいのですが、結構悩んでしまうのが、中国マーケットについて、で す。
◆日本でも、例えば「中京地区ではトヨタのシェアが全国水準より高い」とか「沖
縄で一番売れているビールはアサヒでもキリンでもない(オリオンビールがトップ )」といった地域性があると思いますが、中国の広さは半端じゃない(日本の26倍
)。当然、経済格差も他の国以上にスゴイし市場は発展途上真っ盛りなので、単純 に売り上げや店舗数だけでは優劣をつけがたいことがあります。
◆特に自動車業界では、最大手の第一汽車が株式投資の対象とならない(B株やH
株を上場していない)ので、他の企業を紹介するときには、合弁・提携先や専門分 野など規模以外の特徴をポイントにすることになります。
◆当社のアジア担当アナリスト、ササキ氏は、台プラグループの王永慶氏を「台湾
の松下幸之助」に例えて話を盛り上げます。ではもし、香港の李嘉誠氏(現地では 言わずと知れた、現役カリスマ財閥総帥)に相当する、日本産業界の「超人(スー
パーマン)」をひとりだけ挙げろ、と香港の顧客から求められたら? 李嘉誠に匹敵 するキャラ・・・いたら日本経済が激変しそうな気がするんですが・・・(越)
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〜中国人の「気合い」〜(2002/8/26)
◆「この製品はとっても優秀なの。どんなに強く閉めても、ほら、跳ね返ってこないわ」――。ある週末、TVで某大手メーカーをテーマにした番組を見ていたときのこと。中国戦略についての場面で、中国の販売員が客にむかい、機関銃のようにセールストークを浴びせていた。販売員は冷蔵庫のドアを、あらんかぎりの力をこめて、ばっし、ばっしと開け閉めしていた。
◆こんなに強く開閉するかふつう? とツッコミを入れたくなる勢いのよさだったが、まあ中国人家庭では、こんなものかもしれない。電話の切り方でも、日本人は「ではよろしくお願いします」とかなんとか言ったあと一呼吸おいて受話器を置くが、中国流では「OK!じゃっ!」の最後の「っ」で受話器を「ばんっ!!」と叩きつける。店に多い壁掛け式電話機だと、勢いあまって所定の位置から受話器が外れ落ち、コードがびよよんと伸びて垂れ下がってしまうことがある。
◆販売員さんの売り込みかたも然り。相手を自分のペースに巻き込む気迫に満ちており、気圧されて落ち着いて買い物ができないと嘆く日本人もいる。そういえば最近、ササキ氏が上海フレンドシップ(上海:コード900923)という小売店を視察してきた。「売り場が広い」「品物が多くて安い」などと言いながら至極ご満悦で帰国したササキ氏。「アジアは元気イッパイ」が口癖のこのお方、中国的・怒涛の商品アピールには、おおいに触発されるものがあったに違いない。(越)
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〜中国みやげ〜(2002/8/13)
◆ササキ氏が上海から空輸してきた出張みやげは「天津甘栗クリームの入ったクッキーサンド」。通好みな中華菓子のおみやげを想像していた一同には「予想外に(!?)シャレたセレクト」と好評で、ササキ氏の現上司であるA部長と、しばし「中国みやげ」談義をかわしました。
◆A部長はかつて上海に出張したとき、デパートで買い求めた中国製の筆と墨が、書道を嗜むご家族に好評だったとか。私、といえば日本企業が現地生産しているカップラーメンやレトルトが定番です。「スパイシー・シーフード・ヌードル」とか、日本にはありそうで無い味がお勧めです。少々かさばりますが、中国語で書いてある説明もウケるし、なにより安い。
◆私が過去に外国人の友人に贈った日本製品で最も喜ばれたのは、手のひらサイズのソーラー電卓でした。1000円もしないありふれた品でしたが、このコンパクトさと耐久性は、友人のイメージする「ニッポン」にハマったようです。彼女は10年近くも、この電卓を愛用してくれました。
◆「中国3000年の歴史と文化」、「安くてちょっと変わった食料品や衣料品」――。
中国の技術力が注目されつつあるとはいえ、現実に手にする中国製品といえば、今まだこんな感じなのでしょう。でもそのうち、中国オリジナルブランドのデジカメとか、
なにか画期的なおみやげを手にするかもしれませんよ。(越)
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〜香港的・非職人気質〜(2002/7/29)
◆ボートー・インターナショナル(寶途集団、#585)という会社があります。いわゆる大企業とは違いますが、業界ではちょっと有名・・・クリスマスツリーの製造で世界トップシェアを誇った会社です。誇った、というのは今年の春、突然その本業を売り払って転業してしまったからです。
◆日本だと、下町の中小企業とか町工場が時として世界屈指の技術を持っているケースがあります。そういう会社が安い海外製品に押されても商売替えをせず、さらに良質な製品を開発して盛り返した・・・というエピソードはNHKで美談として語られます。
◆これは日本人が農耕民族で職人気質が重んじられるためで、移民難民の集まりである香港では利潤が第一、そのためには1つの業種に固執しない柔軟さが求められたりします。チョンコン(長江実業、#1)はかつてプラスチックの造花で世界に進出しましたが、その後はプラスチック業に邁進することなく、不動産デベロッパーとして屈指の財閥に成長しました。
◆人も会社も「転職」がさかんな香港ですが、上場企業の転業には最近「待った」が
かかってきています。冒頭のボートーや、中国の政府系企業だったシェンヤン・ユー ティリティー(瀋陽公用、#747)が続いて本業の放棄を決めたのが契機となり、取引所では「本業を手放したら上場資格を見直す」という提案がなされています。
◆良くも悪くも「柔軟」な香港企業の体質は変わらないにしても、株式上場という一
大イベント前には生業を固めておけ、というお達しでしょうか。モラトリアム傾向の 強い日本のバブル世代には耳の痛い話かもしれません。(越)
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〜痩せるお茶〜(2002/7/22)
◆中国では「減肥茶」つまり痩せるお茶がよく売られています。味は安めの烏龍茶のような、プーアル茶のような感じです。
私は以前中国の学生寮に滞在していたとき、これを飲みつづけた日本人女性が体調を崩して寝込んだ現場に居合わせたことがあります。
◆そのお姉さんは、ダイエットの必要などなさそうな人でしたが、毎日、ず〜〜っと、そのお茶を飲み続けていました。
おしゃべりしながらとか、お菓子をつまみながらとかではなく、本当にお茶だけ。部屋に備え付けのポットのお湯は、毎日お姉さんが1人ですべて使ってしまったほど。クセの強い中国茶を、こきゅ、こきゅと飲み続ける音がいつも鳴っていました。
◆それから10日ばかり経ったころでしょうか。日本人女性数人が胃の痛みを訴えて寝込みました。その数人に共通していたのは、「やせるお茶」をかなり飲んでいたこと
。翌日、翌々日と1人ずつ回復してきましたが、一日じゅう、こきゅ、こきゅとお茶 を飲んでいたお姉さんは、最後まで倒れていました。
◆お姉さんは、ダイエットだからと食事も制限してお茶ばかり飲み、胃を荒らしたの
です。中国人からは「お茶は脂を溶かすから、食べながら飲まないとだめだよ」と叱 られました。そういえば中華料理を食べていると、薄いお茶を入れたフィンガーボールが出てくることがあります。普通のお湯や水では脂が取れないからです。
◆最近、GEM上場した長江実業系のCKライフサイエンスは、健康食品とかエイズの治療薬など人体の免疫作用を高める製品を作っています。副作用は少ないそうですが、
乱用する人が現れないことを願います。薬と毒は表裏一体、お茶だって不自然にごぶ ごぶ飲んだら病気になるのですから…(越)
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■〜クーラーの話〜(2001/6/27)
◆夏になると、どこでも冷房の温度設定について「弱すぎ」「寒すぎ」という不平不満が大なり小なり出るものだが、アジアの国々では本当に身が引き締まるほどクーラーが効いていることが多い。暑い国で、クーラーなしで夏を過ごすことは考えにくい。だがオフィスにしろ店にしろ乗り物にしろ、上着を着ても足りず、手がかじかむほど冷やすとはどういうわけか。
◆日本人がクーラーを弱めようとすると、地元民は「息が詰まって身体に悪い」と血相を変える。そのため南国の夏に真冬用の厚いタイツをはいたり、使い捨てカイロを使ったり小型ヒーターを足元にしのばせるなど、嘘のような冷え対策を講じる日本人(女性)が少なくない。ちなみに夏ばかりか冬でも「空気清浄」のためクーラーが稼動していることがある。
◆あるとき、華字紙の『明報(ミンパオ)』(明報企業、香港:コード685)がある記事を1面トップで掲載した。「室温が低いと空気の汚れに対する許容量が増して気にならなくなり、喘息などの原因になる」という現地では画期的な新事実だった。日本人はそれ見たことか、と言わんばかりに切りぬきをオフィスの壁に貼り、「クーラーが空気をきれいにするわけはない」と強調した。しかしその後、そのオフィスが「弱冷房」になった話は聞かない。
◆10年ほど前の中国ではまだクーラーが一般的でなく、「冷房なんかいらない、部屋の中と外であんまり温度が違ったらカゼをひくよ」と、屋外や開け放した部屋で扇風機のぬるい風を浴びながら昼寝をする人が多かった。家電製品が普及した最近の中国都市部でも、やはり冷蔵庫のように部屋を冷やしているのだろうか?(越)
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■〜銀行の話〜(2001/6/20)
◆香港にやたらと多いものの1つが、銀行。香港上海(HSBC、コード5)、ハンセン(11)、中銀、道亨(223)、大新(440)――
石を投げれば銀行に当たる。キャッシュディスペンサーは郵便受けのようにさりげなく銀行の壁に並んでおり、24時間サービスで深夜でも祝祭日でも手数料など取らない。
◆意外と不便なのが、他行への振り込み。
ホンシャン(香港上海)からハンセン、または中銀グループ間のように提携関係のある銀行間しかシステムが連動しておらず、自動振り込みができないのだ。ハンセンから中銀系への振込みは、現金を携えて窓口へ赴かねばならない。
◆そして自分の口座への預け入れ。
ボタンを押すと、銀行名の入った封筒が出てくる。それにお金を入れ口座番号を添付してポタリと機械の中へ落とす。入金が確認できるのは後日だ。
◆ある時、口座番号を添付し忘れて「入金」してしまった。
1ヵ月分の家賃相当額をである。これでは入金の記録がなかったとしても、抗議のしようがない。しかもそれは4連休の初日だった。泣きそうになりながらコールセンターへ。しかし返事は「オーケー。連休が終わったら、その支店に行ってお話ししてください。バイバイ」――。その後、機械での入金はしていない。(越)
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■〜香港情報〜(2001/6/13)
◆報道規制が結構厳しい日本や台湾と違い、香港のメディアは何でもアリ。本当かよ、と思いつつ読みふけってしまう、アヤシイ記事やきわどい記事が紙面を賑わす。
◆その筆頭が大衆紙の東方日報(オリエンタル・プレス=コード0018)。そして後発ながらライバル紙として健闘するアップル・デイリー(ネクスト・メディア=コード0282)。東方日報は写真週刊誌なみかそれ以上の過激さ。ガセネタも少なくないが、時たまスクープがあるのであなどれない。
◆ネタを集めるための機動力は抜群で、ひとたび事件が起こると警察より先に東方日報の取材カーが現場に到着するほど。なんでそんなことができるかというと、彼らは警察の無線を勝手に傍受して情報収集しているから。ニュースソースが「盗み聞き」だから、事故や事件のてん末や被害者の年齢がメディアによって食い違う。
◆基本的スタンスがこれだから、政治経済・株式面にもしょっちゅう「特ダネ」が出没。 そのたびに投資家は浮き足立ち、時には株価の乱高下を招く。
◆メディアがたきつけるから世間が騒がしくなるのか、世の中がめまぐるしいから情報も錯綜するのか。「掘り出し物」と「まがい物」は、情報にも存在する。(越)
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■〜香港的株式ニュース〜(2001/6/6)
◆株式用語には独特なものが多いが、香港あたりではほとんど隠語のよう。
熊市(ベア)、牛市(ブル)ぐらいはともかく、大衆紙の株式欄は「今日の金魚鉢は、ワニがにらみゾウが吼え…」という調子で、何の事やら見当がつかない。
◆タネあかしをすると「金魚鉢=株式市場」「ワニ=投機筋」「ゾウ=HSBC(香港上海銀行」のこと。
字面だけではなく、時にはこれらが4色刷りやカラーで色鮮やかに描かれ、一面トップを飾ったりする。よく見るとゾウの腹掛けにはHSBC(コード0005)のマークが入っていたりして、結構芸が細かい。
◆香港市民は馬券を買うノリで株を買う。馬にしろ株にしろ情報収集は欠かせないが、それなりのインテリでないと、小難しい経済用語など読む気もしない。
そこで、投資に関わるニュースの要点をイラストで解説するテクニックが発達した。
慣れると、本文を読まず(理解できなく)とも状況が一目瞭然となり、なかなか便利だ。
◆こういうイラスト記事は、デザイン担当の若い兄ちゃん達が制作しているらしいが、投資意欲への影響はかなりのものではないだろうか。
今日も香港のヤムチャ屋には、大衆紙の株式欄を片手に携帯電話で売買注文をがなり立てている小口投資家がたくさんいるに違いない。(越)
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■〜日本食もどき〜(2001/5/30)
◆日本で食べる中華料理と、中国や香港、台湾で食べる料理が別モノなのと同様、外国で売っている日本食も似て非なるものであることが多い。
◆日本と関係の深い韓国や台湾では、すでに現地化したすしやのり巻きが定着しているが、香港ではまだ一時的なブームの域を出ておらず、ときたま奇妙なものにお目にかかる。
◆「カツどん」ならぬ「カツうどん(カツが出し汁に浮いたうどん)」、同様のパターンで「餃子ラーメン(ラーメンの具が餃子)」。コンビニでは、酢飯にイカ・タコ・貝の中華風煮しめが入った「おにぎり」を売っている。なぜか「手巻きずし」も同じ具。
◆あるとき、ジャスコ・ストアーズ(コード984)の偉い人(日本人)に「酢飯のおにぎり」の話をしたところ、「しまった」という顔をされた。なんでもこの方、店で「すし用のご飯が余った」と香港人スタッフが指示をあおいできたとき、何気なく「捨てるともったいないから、おにぎりにして売れば?」と答えた覚えがあるという。某コンビニエンスストアでおにぎりが発売される少し前のことらしい。
◆このまま香港式おにぎりが酢飯のまま定着する可能性もあるわけだが、するとご飯の味も具もほとんど同じで、形状だけ違う「手巻きずし」の存在はどうなる?ちなみに香港版手巻きずし、おにぎりよりも単価で30円ほど、高い。(越)
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■〜貴金属とマンション(後編)〜(2001/5/23)
◆日本人は住宅=家=家庭という意識が強い。
家を買うというと「終の棲家」とか「身を固める」とのニュアンスが強いので、独身女性がマンションなど買おうものなら「結婚しない気?」と言われがちだ。
◆しかし香港の華人社会では一般庶民でも、親と公団住宅に暮らしながら子がマンションオーナーをしていたり、親が貯金代わりに子どもに1つずつ物件を買って(頭金を用意して?)やるなど、住宅を生活空間というより資産として捕らえる側面が強い。
◆でもそのマンション、何千万円もの値段がついているのに、台風で雨水が吹きこんだり、停電、断水はしょっちゅう。エレベーターが故障して20何階まで非常階段を往復することだってある。悪いのは、そんな物件を作る新鴻基(サンフンカイ、香港0016)かヘンダーソン(香港0097)か。それでも金を惜しまず買う消費者か。
◆日本人だったらマンション購入より先にクルマとか趣味とかにお金を使いそうなもの。
だが香港には金をかけるような遊びも少ない。お茶やお花など習い事を小さい頃から仕込む習慣もない。その分の資金は株や不動産に回る。
◆「住む」ことよりも「稼ぐ」ことに片寄ったマンション。
換金性は高いが、装飾目的とかけ離れた(ように見える)貴金属アクセサリー。どちらも1種の金融商品として、華人のメンタリティーを表している。(越)
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■〜貴金属とマンション(前編)〜(2001/5/16)
◆「ダイヤモンドは、確かな財産です。でもその中に、住むことはできません…」 という住宅のCMがあったが、華人にとっての貴金属と住宅(マンション)の財産的価値は、おそらく日本人の比ではない。
◆日本人には銀や18金のアクセサリーが好まれる。
18金は色合いが落ち着いており、繊細な加工に向くので装飾性が高い。
だが華人社会では金といえば24金で、これは純度が高いぶん、換金性が高い。
政情不安のたび、ありったけの貴金属を身にまとって難を逃れた華人の歴史がここにある。
◆謝瑞麟(ジェソイロン、香港0417)や周大福(チャウダイフック、新世界=香港0017の関連会社)といったチェーン店には、小心者には腰が引けるような光を放つ24金がずらり。
特に熊とかミッキーマウス、縁起物や『福』の字をかたどった金のアクセサリーや置物はご利益がありそうだが、私にはこれらを美しく装い、飾れる自信はない。
同じことは、マンション購入についても言える。(後編に続く…越)
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■各国ビール事情(2001/4/25)
◆海外に旅行や出張したら、ぜひ地元のビールを試してほしい。台湾には台湾ビール(国営)韓国にはハイトビール(コード00140=韓国上場)などという国民的ビールがある。香港では、地ビールとは言いにくいが、フィリピン系のサンミゲル(コード0236=以下香港上場)とデンマーク系のカールスバーグが最も定着している。
◆一方中国では、国土が広大なうえ製品を遠距離輸送できる体制が不十分なため、各地に小さな「地ビール」工場が乱立。現在、それらが続々と淘汰され、新たな市場形成が進んでいるところだ。
◆中国産ビールとして最も知名度が高いのは「青島ビール(コード0168)」。近年は北京控股(コード0392)系の燕京ビール粤海企業系の「粤海ビール(コード0124)」などが成長めざましく、近い将来は大手数社による寡占状態に至るとの見方がある。
◆上記3つもすべて地名をもとにしたネーミングだが、中国のかなりの地方で「桂林ビール」「新疆ビール」といった地元限定銘柄が入手できるはずだ。いつか大手に吸収されて消えてしまうかもしれないこれらのビール、今のうちに試してみると話のネタになるかもしれない。
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